14年ぶりに移動した1.2兆円相当のビットコイン、大口保有者の動向に市場が注視

14年ぶりに移動した1.2兆円相当のビットコイン、大口保有者の動向に市場が注視

2025.07.07

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14年ぶりに移動した1.2兆円相当のビットコイン、大口保有者の動向に市場が注視

相場概況

仮想通貨(暗号資産)は買いが優勢。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)は共に上昇した。

14年以上動かなかった合計8万0,009BTC(約86億ドル・約1.2兆円相当)のBTCが、8個のアドレスから移動したことが5日に明らかとなった。Lookonchainなどが報告しており、移動の目的や保有者の正体は現時点で不明。移動は4日以前に開始されており、その中には2011年に0.78ドルや3.37ドルで受け取られたBTCも含まれ、現在の価格で数十億ドル規模に膨らんでいる。こうした長期非稼働アドレスからの資金移動は、売却の可能性を巡り投資家の警戒感を呼びやすい。ただし、Cryptoquantの分析では、今回の移動は取引所送金ではなく、UTXOの統合とみられ、売却の兆候は確認されていない。

市場では引き続き、初期保有者の動向が注目されている。

チャート分析

4時間足チャート(BTCUSDT)

チャート分析

BTCUSDTを4時間足チャートで見ると、相場概況に記載したイベントにより、投資家の警戒感が強まり下落も見られたが、価格は前日よりも上昇し、10万9千ドルに到達した。上下がはっきりしない相場感でありながらも着実に上昇をしている点は良い兆候である。

200期間移動平均線(SMA)を見ると、やや上向きとなっており、RSIも一時期50付近を推移していたが、7月に入ってからは概ね買い圧が強めを示している。

今後の主な経済指標

  1. 9日23:00【米国】卸売在庫(前月比)(確報)
  2. 9日23:00【米国】原油在庫(前週比)
富坂 昇(とみさか・のぼる)
富坂 昇(とみさか・のぼる)

著者:富坂 昇(とみさか・のぼる)

著者:富坂 昇(とみさか・のぼる)

数理モデルに基づくゲノム解析の研究からプライベート・エクイティ・ファンドの運営に携わった後、独立。デリバティブ取引とオプション取引で得た知見を基に、暗号資産取引における分散と確率、標準偏差に依拠した独自のトレード手法を確立する。現在のテーマは「アルトコインとミームコインの相克」。