SECの執行件数が30%減、トランプ政権の政策転換で過去最低水準に

SECの執行件数が30%減、トランプ政権の政策転換で過去最低水準に

2025.11.21

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SECの執行件数が30%減、トランプ政権の政策転換で過去最低水準に

相場概況

仮想通貨(暗号資産)は売りが優勢。ビットコイン(BTC)は上昇、イーサリアム(ETH)は下落した。

コーナーストーン・リサーチとNY大学の報告書によると、SECが2025会計年度に提起した執行措置は56件と前年の80件から30%減少し、金銭的和解総額も45%減の8億800万ドル(約1,260億円)と2012年以来の最低水準となった。不当利得返還金などを含む総額も過去最少の1億800万ドルにとどまり、委員長交代に伴う執行緩和の傾向が顕著となっている。背景には、トランプ政権による仮想通貨に友好的な政策への転換がある。1月の大統領令で「デジタル金融技術のリーダーシップ強化」を掲げ、SECも仮想通貨タスクフォースを設置。

アトキンス委員長は「執行による規制」から明確なルール整備への転換を強調している。

チャート分析

日足チャート(BTCUSDT)

チャート分析

BTCUSDTを日足チャートで見ると、下落はとどまることなく続き、86,000ドル付近に位置している。21日移動平均線(SMA)が200SMAにデッドクロスしてから下落トレンドは明確となり、底も見えず8万ドルを切ってもおかしくない状況だ。RSIも20付近と売りが過熱しており、非常に相場環境は悪い。

さらなる下落は十分にあり得るため、引き続き警戒したい。

今後の主な経済指標

  1. 21日 18:00【ユーロ圏】製造業PMI(購買担当者景気指数)(速報値)
富坂 昇(とみさか・のぼる)
富坂 昇(とみさか・のぼる)

著者:富坂 昇(とみさか・のぼる)

著者:富坂 昇(とみさか・のぼる)

数理モデルに基づくゲノム解析の研究からプライベート・エクイティ・ファンドの運営に携わった後、独立。デリバティブ取引とオプション取引で得た知見を基に、暗号資産取引における分散と確率、標準偏差に依拠した独自のトレード手法を確立する。現在のテーマは「アルトコインとミームコインの相克」。