トロン上でミームコイン取引需要増加に備え、大量のUSDTを発行

トロン上でミームコイン取引需要増加に備え、大量のUSDTを発行

2024.08.21

トロン上でミームコイン取引需要増加に備え、大量のUSDTを発行

相場概況

仮想通貨(暗号資産)は売りが優勢。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)は共に下落した。

ステーブルコインを発行するテザー社は、20日にトロンチェーン上で、10億ドル分のUSDTを発行した。今回の発行は、1ヶ月前から事前に検討されていたものであり、トロンチェーン上での取引需要の増加に対応するためである。トロンチェーンでは、先週からミームコインの取引が活発化しており、SunPumpというミームコイン発行サイトでは17,000種類以上のコインが発行された。発行されたミームコインでトロン創設者と関係した「Sundog」というコインは1万倍以上、サン氏がローンチしたDeFiプラットフォームのガバナンストークン「SUN」は1週間で75%高騰している。

さらに、トロンチェーン上の手数料は直近90日間においてはETHを超えており、非常に勢いのあるチェーンであることが伺える。

チャート分析

4時間足チャート(TRXUSDT)

チャート分析

TRXUSDTを4時間足チャートで見ると、21移動平均線(SMA)をサポートラインとして上昇傾向にあったが、19日から21SMAを突き放して著しく上昇を見せている。200SMAは横ばいで、RSIは継続的に買われ過ぎの水域に入っているが、上昇の勢いは止まる様子がない。

相場概況で紹介したようにTRX上でのミームコインの取引需要の増加が背景にあり、テザー社はさらに活発になることを見越して、USDTを発行している。ファンダ面からもしばらく価格上昇は継続すると考えられる。

今後の主な経済指標

  1. 21日 23:30【米国】ガソリン在庫(前週比)
  2. 21日 23:30【米国】留出油在庫(前週比)
富坂 昇(とみさか・のぼる)
富坂 昇(とみさか・のぼる)

著者:富坂 昇(とみさか・のぼる)

著者:富坂 昇(とみさか・のぼる)

数理モデルに基づくゲノム解析の研究からプライベート・エクイティ・ファンドの運営に携わった後、独立。デリバティブ取引とオプション取引で得た知見を基に、暗号資産取引における分散と確率、標準偏差に依拠した独自のトレード手法を確立する。現在のテーマは「アルトコインとミームコインの相克」。