米上院ステーブルコイン規制法案「GENIUS法案」を否決、成立が遠のく

米上院ステーブルコイン規制法案「GENIUS法案」を否決、成立が遠のく

2025.05.09

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米上院ステーブルコイン規制法案「GENIUS法案」を否決、成立が遠のく

相場概況

仮想通貨(暗号資産)は買いが優勢。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)は共に上昇した。

米上院は、ステーブルコイン規制を目指す「GENIUS法案」を手続き投票で否決し、法案成立が困難となった。当初は超党派の支持を得ていたが、民主党の一部議員がマネーロンダリング対策や国家安全保障への懸念を理由に支持を撤回。特に新バージョンが事前通告なく提示されたことが反発を招き、支持撤回につながった。ベッセント財務長官は、法案否決が米国の金融リーダーシップを損なうと警告し、統一された規制の欠如が州ごとの規制乱立を招くと指摘。また、トランプ家が関与する仮想通貨事業への懸念も影響し、エリザベス・ウォーレン議員らは「トランプ家が私腹を肥やす」と批判していた。

今回の否決は、他の仮想通貨関連法案にも影響し、米国のデジタル資産政策が揺らいでいる。

チャート分析

日足チャート(BTCUSDT)

チャート分析

BTCUSDTを日足チャートで見ると、連日の上昇に続き前日比4%もの上昇を記録し、10万ドルを突破した。ニューハンプシャー州に続きアリゾナ州、ミズーリ州でも仮想通貨準備金法案が可決されたことが影響している。

RSIは70後半を示しており、強い買い圧があることがわかる。10万ドルはトランプ大統領就任時依頼の最高水準にあり、今後の上昇次第ではBTC史上最高値を記録する可能性もある。

今後の主な経済指標

  1. 13日18:00【米国】ユーロ圏ZEW景況感指数
  2. 13日21:30【米国】消費者物価指数(CPI)(前年比)
富坂 昇(とみさか・のぼる)
富坂 昇(とみさか・のぼる)

著者:富坂 昇(とみさか・のぼる)

著者:富坂 昇(とみさか・のぼる)

数理モデルに基づくゲノム解析の研究からプライベート・エクイティ・ファンドの運営に携わった後、独立。デリバティブ取引とオプション取引で得た知見を基に、暗号資産取引における分散と確率、標準偏差に依拠した独自のトレード手法を確立する。現在のテーマは「アルトコインとミームコインの相克」。